なんかいいことおまへんか!!

健康で文化的な生活について。つまり、ダイエットと、文学と、映画。

書評

知識で殴れ!言語で世界を○○しろ!/ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』

年初に今年はいろいろと書いていきたいよねと述べたもののダビスタswitchとか競馬の予想とかでなかなか筆を執る機会をつくらずにおりました。久しぶりに書こうかね。 ということで、今回はローラン・ビネ『言語の七番目の機能』です。ローラン・ビネについて…

柴田勝家『ヒト夜の永い夢』2021年読書日記

前回のエントリで同作家、柴田勝家の『アメリカン・ブッダ』という短編集を取り上げましてね。これがまあべらぼうに面白かったので、『ヒト夜の永い夢』も我慢できずに書店へゴー、即座に手に入れた次第です。久しぶりだよ、この興奮は。 nkntkr0.hatenablog…

柴田勝家『アメリカン・ブッダ』2021年読書日記

柴田勝家といえば戦国時代の中でも猛将として名を挙げた人物で、その終わりは豊臣秀吉に賤ケ岳の戦い・北ノ庄の戦いで敗れて切腹、自害したという。 現在は両手に斧を持ち無双することで有名ですが、その猛将柴田勝家が現代に転生したらSF作家になったという…

『人新世の「資本論」』年末年始読書2020~2021その3

果たしてこのタイミングで年末年始と呼べるのか。ともかく、読んだのは年末年始なので今回を限りにこの表題は打ち止めですね。 今回読んだのは、斎藤幸平『人新世の「資本論」』です。ちょうどNHKの「100分de名著」でもマルクスの『資本論』は取り上げられて…

『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』年末年始読書2020~2021その2

有馬記念も終わり、東京大賞典も終わり、いよいよ2020年も残り1ハロンくらいになりましたね。最後の直線でのサラキアくらいの差し脚くらいのスピードを出していきたい。 クロノジェネシスおめでとうございます。本命だったけどサラキアがいなかった。オメガ…

『ゲンロン戦記「知の観客をつくる」』年末年始読書2020~2021その1

2020年の年始に企てた「初心に戻って読書と映画、やっていこうと思っております」宣言、ものの見事に目論見が雲散霧消してしまいました。 結局15冊くらいしか読んでない。その反省を活かして2021年は読書すんぞ!!という意気込みを態度で示すべく読んだ本の…

四畳半タイムマシンブルースの感想とか。

2005年に太田出版から『四畳半神話大系』が出版されてはや16年。 2010年にフジテレビのノイタミナ枠でアニメ化されてはや10年。 久しぶりの!腐れ大学生活が舞台の!森見登美彦の!著作!!それが!四畳半タイムマシンブルース!! 懐かしさと新作が出た喜び…

年末年始読書その1『リベラリズムの終わり その限界と未来』

新年も明けたところで、今年は何しようかしらと考えることがあるわけで、ダイエットとか筋トレとか競馬とかもあるけど、初心に戻って読書と映画、やっていこうと思っております。去年はほとんど本を読まなかったし、映画もあまり見ていない。2019年心のベス…

東京イーストサイドについて。速水健朗『東京β 更新され続ける都市の物語』

この前のエントリーで、山本周五郎の『季節のない街』を取り上げた。 nkntkr0.hatenablog.com その時には取り上げなかったけど、『季節のない街』の舞台は都市、その中でも横浜や東京イーストサイドをが舞台とされている。特に、映画版『どですかでん』は、…

さあ、発車しようぜ。 山本周五郎『季節のない街』

“風の吹溜まりに塵芥が集まるようにできた貧民街”で懸命に生きようとする庶民の人生。――そこではいつもぎりぎりの生活に追われているために、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もなく、ありのままの自分をさらけだすしかない。そんな街の…

「一割二分五厘の勝率で世の中を生きていくみんなに」パク・ミンギュ『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』

ぼくがこのブログで野球関連の小説に言及するのは2作目で、1冊目は「ユニヴァーサル野球協会」というぶっ飛んだおっさんの妄想野球小説なんだけど、これもまあ滅法面白かった。詳しくは過去に書いたので、そっちを見てもらえれば。 nkntkr0.hatenablog.com …

ラケットを持つことは、初めて自分の意見を持つことなんだ

休日も休日だというのに、僕はなんで会社のメディアのための記事を一日中書いているんだろうってことに軽く絶望しちゃったんで気晴らしに文章を書き連ねることにする。 最近読んだ本。パク・ミンギュの「ピンポン」久しぶりにブログに書く小説がこれだ。 シ…

海外文学入門のための独断と偏見でピックアップした5冊

最近、ぼくの周り、主にツイッター界隈なのだけど、海外文学入門だとか、海外文学はオワリだとか、にわかに騒がしい(「海外文学はオワリ」、というのは翻訳と出版の問題らしい)。ぼく自身、文学を読もう読もうと思っているのだけど、どれから手に取ればい…

【分かりやすさこそ全て】という潮流にどう抗うか。

2014年も終わりに差し掛かった。翻って見ると、今年のウェブ界隈を賑わわせた言葉として、次のことが挙げられる。「バイラルメディア」、「キュレーションサイト」、「まとめサイト」など… これらの言葉は、その背景に「分かりやすさ」という繋がりがある。…

歴史叙述の困難を物語るメタフィクションーローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』ー

2013年、[第4回Twitter文学賞〜2013年、私が選んだこの1作(海外編) - NAVER まとめ]、海外部門第一位の本作、ローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』を読んだ。本作は、ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作であり、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞受賞作らしい…

誰が[ J.Henry waugh ]を笑えるのだろうか[ユニヴァーサル野球協会]

先日、渋谷のTOHOシネマに「それでも夜は明ける」を見に行った。上映までに時間があったので、紀伊国屋書店に赴いた。目的の本である『黒い時計の旅』は無く、そもそも絶版だというので、意気消沈しながら店内をぶらり彷徨うと、白水Uブックスの棚にたどり着…