なんかいいことおまへんか!!

健康で文化的な生活について。つまり、ダイエットと、文学と、映画。

4月1日、その1

 嘘をつけと言われても、ひねる嘘の一つもないので、都市伝説を語ろう。まことしやかな噂ってのは、嘘と同義なのだから。

 

 僕が大学生の頃、サークルの先輩から二つ都市伝説を教えてもらった。二つとも、大学にまつわるものだったし、一つは都市伝説の名を借りた忠告だった。

 

 一つ目は、大学のサークル棟(各サークルが密集している施設)に開かずの部屋があって、そこには絶対に立ち入ってはならないこと、もし侵入すれば、命に関わるから、と。

 

 僕が通っていた大学のサークル棟は、昔、男子学生の寮だった。そして今、男子学生の寮は無い。これはどういったことかというと、昔、学生寮新左翼系の団体が学生寮に押し入り、無差別に襲撃した。結果、一人の男子寮生が犠牲になった。殺され、埋められた。犠牲となった男子寮生の部屋は整理され、立ち入り禁止となった。不穏なことになった男子寮はその後、入寮を停止し、取り壊され、新しくサークル棟に立て替えられた。

 

 サークル棟は綺麗な白い建物だったと聞く。今となっては、クリーム色をした、古びれた建物だけど。

 

 その建物に入居しているあるサークルで、自殺者が出た。立て替えて幾日もしない時期に。理由は分からない。遺書も無く、関係者に聞いても判然としない。ただ、関係者が口を揃えていうのは、その彼が日に日に無口になっていったってこと、なにかにおびえていたってこと、サークルを辞めたかったってことぐらいだ。結局、なしくずしになったのか、自殺者が出てしまったことで、そのサークルも解散した。解散後、その部屋は自殺者が出たってことで空いてしまった。何年か経って、もうその話も消え去った頃に、次のサークルが入居した。あろうことか、次のサークルでは行方不明者が出てしまった。

 

 大学関係者が調べたところ、その箇所は男子寮生が住んでいた部屋と一致していた。看過出来ない関係者は、その場所を立ち入り禁止の措置を採った。厳重に封鎖し、頑丈な錠前をつけた。つまり、この部屋には忌まわしい何かに満ちあふれていると、大学関係者が言ったも同然だ。

 

 それでこの話は脈々と受け継がれて、各サークルではまず新入生にこう説明する。あの部屋は開かずの部屋だし、立ち入り禁止だから、何があっても入っちゃいけないよ、と。

 

 馬鹿はどこにでもいる。その開かずの部屋に度胸試しってことで夜中侵入した馬鹿どもがいたらしい。サークル棟は基本的に夜中には施錠してあり、侵入出来ないようになっている。大学構内で夜中まで馬鹿騒ぎをするなってことだ。それでどこかから、どうせサークルの先輩を騙して鍵を失敬したんだろう、上手いこと建物内に侵入した彼らは、その開かずの間の前に立ち止まった。開かずの間ってのは、頑丈な錠前が設置されてて、その鍵は当局によって保管されているからそう呼ばれてる。馬鹿どもはドアを壊した。ドアを壊して侵入する。手持ちの懐中電灯で室内を照らす。彼らが見たものは、赤く塗られた文字。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなぶんしょうにまじになっちゃってどーするの 

  

 

エイプリルフール2014