なんかいいことおまへんか!!

健康で文化的な生活について。つまり、ダイエットと、文学と、映画。

【分かりやすさこそ全て】という潮流にどう抗うか。

 2014年も終わりに差し掛かった。翻って見ると、今年のウェブ界隈を賑わわせた言葉として、次のことが挙げられる。「バイラルメディア」、「キュレーションサイト」、「まとめサイト」など…

 

 これらの言葉は、その背景に「分かりやすさ」という繋がりがある。それぞれのサイトを簡単に説明すると、バイラルメディアは(SNSを利用して、)インパクトある動画や画像、文章を記事にする。キュレーションサイトは情報の収集、再編集を行い、価値付けして記事にする。まとめサイトは単純に情報を再編集し記事にする、という理解でいいだろう。

 それぞれのサイトに対する良いか悪いかの価値判断は一旦置いて、僕には、これらのサイトに共通する意思(あるいは理念)には「分かりやすさこそ全て」ということが確固たるものとして鎮座している気がしてならない。

 確かに「分かりやすさ」は大切なことだ。多くを例に挙げる必要もないだろう。ユニヴァーサルデザイン、フラットデザイン、池上彰etc……

 

 「分かりやすさ」は、理性よりも感覚に訴えることが出来る。例えば、視覚的、聴覚的な刺激に直接コンタクトする。画像や動画を多用するサイトが増えていて、それがバズっているのもその証左だろう。「分かりやすさ」はそのまま娯楽としての「お手軽さ」に繋がる。時短ブームに乗っかってるのどうかは知らないけど、どうも娯楽が全て「分かりやすさ」=「お手軽さ」になっているような気がしてならない。そして、どこもかしこもこの「分かりやすさ」に乗っかってる。今のウェブの潮流は「分かりやすさこそ全て」という感じだ。

 

 でも、この「分かりやすさこそ全て」という空気はどうも僕には合わない。違和感を覚える。けれども、この潮流は「マイルドヤンキー」化する社会とも相まって、どうも地盤を強固にしているようだ。人々はワンピースに感動し、ハリウッド超大作のド迫力映画に興奮し、ショッピングモールで衣食住全てを満たす。娯楽あるいは文化は、お手軽に享受出来るものしか生き残れないのだろうか。

 

 やはり僕は、この潮流に反旗を翻したい。「分かりやすさこそ全て」という価値観に抗い続けること。まずは、もう一つの価値観を大事にすること…難しくてもいい、分かりにくくてもいい、読み込めば価値のあるものだというコンテンツを大事にしたい。そして、もっとコアなコンテンツが増えてくれればいいな、と思うし、増やすことが出来るような活動をしたい。抗う方法は…目下模索中だけど。

 

今のところ、分かりにくいし、価値のあるとは言い難い文章を書いている僕の意見表明として。